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序章 | 初心者 | 名無しの吹奏楽団 | 冬支度 | そしてまた冬がやってきた。 | 2000年,2年目,2度目のステージへ |
| 3回目の合宿にて | わからぬままで | 2年目のリスタート | 出逢いがあれば・・・ | 俺がヒロシだ忘れんな! |
| 第10章 出逢いがあれば・・・ |
ある日、WINTの掲示板にこんなコメントを見つけました。
「出逢いがあれば別れもある。わかっちゃいるけど辛いですね。」意味を理解できないという事は、
ある意味幸せなことで、僕がその意味を理解するまでは、その後1週間を要しました。
気がかりな電話が団長から入ります。「・・・大事な話がある。今日はヒロシ欠席だけど、あいつの人生かかってるから、認めてやってくれ。」でも、詳しくはここでは言えないそうな。・・・迷惑な話だ。
僕は気にしながらも練習に参加しました。1人参加していません。・・・ヒロシです。少し気がかりでした。
何が起こったのか。練習しながらも、クラの音がないことで、いやでも思い出してしまします。
事実は練習後に知る事になります。たまに団員と行くファミレスで、練習後の雑談をしている時に僕の携帯が鳴りました。忘れた頃になんとやら。団長からです。「今着いた。ちょっと話しがあるから・・・」
・・・その話とは・・・嫌な予感は当たるもので・・・「ヒロシが転職の為に今浜松へ行っている。今日面接だって。
多分受かるだろうから・・・・」僕は言葉を失いました。「放心」ってこんな状態を指すんだ。僕は席に戻っても、
動揺を隠しきれず、放心し、何度も何度も団員からの突っ込みを受けます。でもまだ決まっていないし、本人から内緒で、との話。笑って誤魔化すしかありません。
居たたまれなくなって、僕は彼の家に電話をしました。「おう。ヒロシ。・・・おまえ次の合宿はどうする?」
「ああ、ま○のさん。聞いたんですね。とても残念がられていますよね。」・・・なんとも優しい声です。僕らの
気持ちを充分察しながら去っていく事を決めたヒロシ。でも、確か1W前に一緒に帰った時に、「何故WINTを選んだの?ヒロシほどの実力あれば、どこにでもいけるだろ?」の問いに、彼は笑いながら「そりゃあ、入りたいからここにいるんですよ。小人数でも精一杯やっているところが好きで惹かれたのかな。」と応えていました。
そのヒロシが急にいなくなるなんて。仕事をしていてもしばらく何も頭に入りませんでした。
話は本当に急だったそうです。前回の練習からその次の練習の間に話しが来て、すぐに返事を出したそうです。
・・・ヒロシらしいや。僕らは2W後の練習後にヒロシの離脱を伝えました。ショックで泣くもの、放心するもの。
男1人の別れで凄い状態です。彼と一緒に吹ける期間もあとわずか。・・・こんなことならサマーコンサートに参加しておけば・・・こんな形でサマーコンサートをキャンセルした事を後悔するとは思いもしませんでした。
そして彼と一緒に吹ける時間も次第に短くなり、ついに最終日の合宿を迎えました。
僕らは彼との別れを惜しみ、最終日に合宿所でミニコンサートを開きました。曲の練習なんてしていないけど、基礎はやってきた僕らの成果。そしてヒロシとの最後の演奏。・・・結局みんな泣いて音になりませんでした。
こうして僕らの最後の演奏は終わりになりました。・・・が、もの足りません。ヒロシはギリギリ次の祝日までいるとの事。それじゃ、あともう一回練習を増やしてやろう。全員の意見が一致しました。こうして、WINT初のミニコンは、「練習」という予定からスタートします。
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